本展のタイトル「Panoramimics」とは概観・鳥瞰的(Panoramic)と擬態(mimic)を掛け合わせた造語である。

アーティストの青沼と山田は景色や事象、時間そのものを作品に擬態させることを主として活動している。

青沼はタンポポの綿毛を建築構造に擬態させ、都市における細胞のような建築物の儚さや、そこに建ち続けている健気さを表象する。

山田は主に鯨を付喪神に擬態させ、戦争や捕鯨文化、海洋プラスチック問題といった社会課題に真摯に向き合う。

両者の作品が一堂に会すれば自ずと都市と海を想起させ、フォトジェニックな地点でのパノラマ写真を彷彿とさせる景趣が立ち上がる。

青沼と山田の遊び心あふれる巧みな意匠に高貴なる偉大さと静かなる単純さを感じ取っていただければ幸いである。

【キーワード】
都市、建築、鯨、捕鯨文化、海洋プラスチック、健気、儚さ、戦争、エモい、もののあはれ、ギリシア美術模倣論、ヴィンケルマン、エポケー、現象学
【アーティスト】
青沼 底 × 山田 勇魚
【キュレーター】
一ノ瀬 健太
【期間】
2023年02月24日 金曜日〜3月18日 土曜日